桐箱について
このページでは、赤ちゃん筆(胎毛筆)を入れる桐箱についてご説明致します。
桐箱としての「桐」
日本は年間湿度が20~90%変動するといわれ、非常に収納物が傷みやすい環境にあります。そういった暮らしの中で、人々は桐の素晴らしい特長に気づき、多くの桐製品を生活へ取り入れてきました。なかでも桐箱は収納・保管に最適と認められ、古くから高級な美術品などを収める代表的な保存道具として活躍しています。また『菊の御紋』に次ぐ皇室の紋章として利用されており、戦国時代の名武将達に家紋として下賜されて以来、五七の桐は日本国政府の慣例的な紋章、日本の国章に準じるとしてよく知られています。
このような機能性・格式のある桐・桐箱は、大切な方への贈り物を入れるパッケージとして最適な素材といえるでしょう。
桐箱の特徴
熱を伝えず燃えにくい
桐の発火点は約420℃といわれています。燃えにくく煙の発生も少ないので、昔から火鉢、カイロ灰などに用いられてきました。乾燥すると細胞の内部が乾いた空気に満たされるため、熱が伝わりにくくなるのです。燃やすと杉材などよりも早く炭化しますが、すぐに灰にはなりません。表面に炭化層(炭化したまま長く保つ状態)ができ、熱を内部に伝えにくい構造となり、高性能の断熱材に囲まれた桐箱に変化します。そのため、火事になっても桐の箪笥に入れていた衣装だけは無事である、といったケースも多いのです。
狂いが少ない
十分に乾燥された桐材は伸長率・収縮率が小さく、木材の狂いが少ないため、ぴったり隙間のない製品を作ることができます。このような桐箱や桐箪笥は内部の気密性が高く、外の温度や湿度変化の影響を受けずに大切な品を長期保管・保存することができるのです。台風の影響で大雨による被害が多発し、家中のものが水浸しになってしまった中、桐タンスに入れていた衣装だけは無事だったという話もあります。